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2023.04.11 櫻井 英明

欲望という名の電車

土曜の日経朝刊では「岩崎通がプライムからスタンダードへ」の見出し。
プライム市場維持を断念し10月20日にスタンダード市場へ移行するという内容でした。
前期は赤字見通し。
昨年の1日平均売買代金は683万円で基準の2000万円以下。
株式市場では「イワツウとかガンツー」の愛称で呼ばれた銘柄。
創業1938年。
ビジネスホンで一世を風靡したこともありました。
京王井の頭線の久我山駅から会社までの通りは岩通通り商店街。
小規模な企業城下町を形成していました。
それでも1日売買代金が低迷。
もっとも上場廃止になるわけではなくスタンダード市場に移行するのだから上場であることは変わりません。
久しぶりに登場したのが「指定替え」の言葉。
「証券取引所において所属する市場を移動、変更すること」です。
市場再編による「指定替え」の制度は変わったようです。
かつての市場の通念としては「1部→2部」のようなケースを「指定替え」と呼んでいました。

「指定替えとは、債務超過や申請書類に重大な虚偽があった場合に、自動的に上場市場が変更される制度」。
「2部→1部」は「市場変更」でした。
今は市場変更も指定替えも混同して使用されています。
今回の「指定替え」の使い方は久々に見たことになりました。

高邁と低俗。
市場では高邁な意見が尊重されます。
しかし知的で格好良いだけでほとんど役に立ちません。
欲望に素直に直結したドロドロとした低俗な相場観は敬遠されます。
しかし実はこれが本質。
市場は高級感という鎧でおおわれていますが本当は欲望の塊の世界だからです。
その延長線上で市場関係者の多くは欧米の世界経済動向を語りたがります。
そしてそれを聞く方も世界経済を語ることが格好いいし上等だと考えます。
しかし、東京市場はNYの専属物ではありません。
そして市場は世界経済の影響は受けますがそれだけで完結するものではありません。
耳にきれいに響く全体経済でなく、できれば格好悪いので避けたいような個別株動向の集積こそが市場なのだと思います。
だから世界経済に逃避せずに足元を熟視することが重要。
しかも市場は勉強や学習が大好き。
そうではなく体験や経験、実務こそが大切なのは言うまでもありません。
知識や理論が先行し。
逆に無知と空理空論、究極的には床屋政談の世界になってしまいます。
そこに果実はありません。
時間の浪費にしか過ぎません。
「市場では頭でっかち尻すぼみでなく現実と実務にマッチョに」と言いたいところ。
テネシー・ウィリアムズ の有名な戯曲は「欲望という名の電車」。
言い換えれば「市場は欲望という名の電車に皆が乗っている」を避けてはいけません。
ひょっとするとドストエフスキーの「賭博者」こそ最適のテキストなのでしょうか。

以下は今朝の場況。

「商いは依然薄い」

週明けNY株式市場で主要3指数はマチマチ。
「雇用統計の内容を消化し、週内に発表されるインフレ指標や銀行の四半期決算発表に備える動き」との解釈。
NASDAQ総合が小幅安。
一方、NYダウはプラス。
S&P500はわずかに上昇。
景気に敏感な輸送株、半導体、小型株、工業株が相場全体をアウトパフォームした。
シェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズが5.8%上昇。
エクソン・モービルが買収に向け同社と予備的協議を行っていると伝わった。
チャールズ・シュワブが4.8%上昇。
顧客資金の大量流入により1週間でコア純資産が165億ドル増加したと発表した。
マイクロン・テクノロジーとウエスタンデジタルはそれぞれ8%高と8.2%高。
韓国のサムスン電子が7日、半導体の生産を縮小する方針を示したことを受けた。
2月の卸売在庫は前月比0.1%増。
前月発表された速報値(0.2%増)から下方修正。
市場予想は0.2%増だった。
前年同月比では12.0%増加した。
卸売売上高は0.4%増。
前月も0.4%増だった。
5月FOMCで0.25%の利上げ確率は74%。
3月29日に終了した週の全商業銀行の預金残高は、季節調整前ベースで17兆3500億ドルに増加。
金融ストレス緩和の兆しが見られた。前週(修正値)は17兆3100億ドルだった。
3月以降初めての増加。
シリコンバレー銀行など2地銀破綻に端を発した記録的な預金流出が少なくとも今のところは一服。
10年国債利回りは3.419%。
2年国債利回りは4.009%。
ドル円は133円台後半。
WTI原油先物5月限は前日比0.96ドル安の79.74ドル。
SKEW指数は126.98→124.42→126.96。
恐怖と欲望指数は57→60(3月15日が22)。

週明けのNYダウは101ドル(0.30%)高の33586ドルと3日続伸。
高値33590ドル、安値3333ドル。
サイコロは10勝2敗。
騰落レシオは117.78%(前日121.66%)。
NASDAQは3ポイント(0.03%)安の12084ポイントと反落。
高値12084ポイント、安値11924ポイント。
サイコロは6勝6敗。
騰落レシオは85.96%(前日87.64%)。
S&P500は4ポイント(0.10%)高の4109ポイントと続伸。
高値41097ポイント、安値4072ポイント。
サイコロは9勝3敗。
騰落レシオは103.57%(前日106.90%)。
ダウ輸送株指数は231ポイント(1.66%)高の14197ポイントと続伸。
SOX指数は55ポイント(1.79%)高の3126ポイントと5日ぶりに反発。
VIX指数は18.97と上昇。
NYSE出来高は8.60億株(前日8.61億株)。
3市場合算出来高は90.9億株(前日90億株、直近20日平均は122.8億株)。
シカゴ225先物円建ては大証日中比195円高の27865円。
ドル建ては大証日中比250ポイント高の27920円。
ドル円は133.60円。
10年国債利回りは3.419%。
2年国債利回りは4.009%。

「閑散に売りなしの声」

週明けの日経平均は寄り付き140円高。
終値は115円(△0.42%)高の27633円と続伸。
日足は4日連続で陰線。
水曜は28139円→28133円にマド。
木曜は27778円→27609円にマドで2空。
月曜は27591円→27597円にマド。
埋めるためには27788円が欲しい。
TOPIXは11.09ポイント(△0.56%)高の1976ポイントと続伸。
プライム市場指数は5.72ポイント高の1017.02と続伸。
14日連続で1000ポイント超。
東証マザーズ指数は8.79ポイント(△1.20%)高の739.22と5日ぶりに反発。
プライム市場の売買代金は1兆9114億円(前日は1兆9996億円)。
2日連続で今年最低水準。
「閑散に売りなし」の声もあった。
値上がり1332銘柄(前日1146銘柄)。
値下がり415銘柄(前日595銘柄)。
新高値46銘柄(前日20銘柄)。
新安値43銘柄(前日56銘柄)。
プライム市場の騰落レシオは106.14(前日107.50)。
NTレシオは13.98倍(前日14.00倍)。
4日ぶりに13倍台。
サイコロは8勝4敗で66.66%。
TOPIXは8勝4敗で66.66%。
マザーズ指数は6勝6敗で50.00%。
下向きの25日線(27728円)からは▲0.34%(前日▲0.80%)。
3日連続で下回った。
下向きの75日線は27219円。
13日連続で上回った。
上向きの200日線(27382円)からは△0.92%(前日△0.52%)。
11日連続で上回った。
下向きの5日線は27745円。
4日連続で下回った。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.198%(前日▲10.251%)
買い方▲8.841%(前日▲9.580%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲5.336%(前日▲4.679%)。
買い方▲23.685% (前日▲24.512%)。
空売り比率は42.6%(前日44.2%、21日連続で40%超)。
空売り規制なしの比率は6.4%(前日8.0%)。
7日連続で1ケタ。
日経VIは17.14(前日17.30)。
2月16日の安値は14.63。
日経平均採用銘柄の予想PERは13.26倍(前日13.18倍)。
10日連続で13倍台。
前期基準では13.72倍。
EPSは2083円(前日2087円、3月31日2119円)。
11月15日の過去最高準は2238円。
225のPBRは1.19倍(前日1.18倍)。
BPSは23221円(前日23320円)。
10年国債利回りは0.460%(前日0.455%)。
日経平均の予想益回りは7.54%。
予想配当り利回りは2.32%。
プライム市場の予想PERは14.04倍。
前期基準では14.14倍。
PBRは1.17倍。
プライム市場の予想益回りは7.12%。
配当利回り加重平均は2.54%。
プライム市場の単純平均は13高の2373円。
プライム市場の売買単価は2330円(前日2456円)。
プライム市場の時価総額は709兆円(前日705兆円)。
ドル建て日経平均は208.38(前日208.82)と4日続落。
63日連続で200ドル台。
週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比195円高の27865円。
大証先物夜間取引終値は日中比200円高の27870円。
気学では「突込み買いの日。逆に上寄り高きは見送れ」。
水曜は「変化日にして以外の仕成りを見せる日」。
木曜は「転換日。高値は売り」。
金曜は「逆張りの日。前後場仕成りを異にする日」。
ボリンジャーのプラス1σが28178円。
プラス2σが28627円。
マイナス1σが27279円。
マイナス2σが26830円。
アノマリー的には「リーマンショック以降株安の日」。
そして「変化日」。

《今日のポイント4月11日》

(1)週明けNY株式市場で主要3指数はマチマチ。
   10年国債利回りは3.419%。
   2年国債利回りは4.009%。
   ドル円は133円台後半。
   SKEW指数は126.98→124.42→126.96。
   恐怖と欲望指数は57→60(3月15日が22)。

(2)ダウ輸送株指数は231ポイント(1.66%)高の14197ポイントと続伸。
   SOX指数は55ポイント(1.79%)高の3126ポイントと5日ぶりに反発。
   VIX指数は18.97と上昇。
   NYSE出来高は8.60億株(前日8.61億株)。
   3市場合算出来高は90.9億株(前日90億株、直近20日平均は122.8億株)。
   シカゴ225先物円建ては大証日中比195円高の27865円。

(3)プライム市場の売買代金は1兆9114億円(前日は1兆9996億円)。
   2日連続で今年最低水準。
   「閑散に売りなし」の声もあった。
   値上がり1332銘柄(前日1146銘柄)。
   値下がり415銘柄(前日595銘柄)。
   新高値46銘柄(前日20銘柄)。
   新安値43銘柄(前日56銘柄)。
   プライム市場の騰落レシオは106.14(前日107.50)。
   NTレシオは13.98倍(前日14.00倍)。
   4日ぶりに13倍台。
   サイコロは8勝4敗で66.66%。

(4)下向きの25日線(27728円)からは▲0.34%(前日▲0.80%)。
   3日連続で下回った。
   下向きの75日線は27219円。
   13日連続で上回った。
   上向きの200日線(27382円)からは△0.92%(前日△0.52%)。
   11日連続で上回った。
   下向きの5日線は27745円。
   4日連続で下回った。

(5)松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.198%(前日▲10.251%)
   買い方▲8.841%(前日▲9.580%)。
   マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲5.336%(前日▲4.679%)。
   買い方▲23.685% (前日▲24.512%)。

(6)空売り比率は42.6%(前日44.2%、21日連続で40%超)。
   空売り規制なしの比率は6.4%(前日8.0%)。
   7日連続で1ケタ。
   日経VIは17.14(前日17.30)。
   2月16日の安値は14.63。

(7)日経平均採用銘柄の予想PERは13.26倍(前日13.18倍)。
   10日連続で13倍台。
   前期基準では13.72倍。
   EPSは2083円(前日2087円、3月31日2119円)。
   11月15日の過去最高準は2238円。
   225のPBRは1.19倍(前日1.18倍)。
   BPSは23221円(前日23320円)。
   10年国債利回りは0.460%(前日0.455%)。

(8)プライム市場の単純平均は13高の2373円。
   プライム市場の売買単価は2330円(前日2456円)。
   プライム市場の時価総額は709兆円(前日705兆円)。
   ドル建て日経平均は208.38(前日208.82)と4日続落。
   63日連続で200ドル台。

(9)ボリンジャーのプラス1σが28178円。
   プラス2σが28627円。
   マイナス1σが27279円。
   マイナス2σが26830円。
   アノマリー的には「リーマンショック以降株安の日」。
   そして「変化日」。

今年の曜日別勝敗(4月10日まで)

月曜8勝5敗
火曜8勝4敗
水曜9勝5敗
木曜5勝8敗
金曜10勝4敗
(櫻井)。