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2023.03.14 櫻井 英明

祇園精舎の鐘の声

平家物語の冒頭の有名な一節。
記憶されている方も多いでしょう。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ」。

これを市場チックにしてみると意外とマッチするかも知れません。
そして深いものです。
永遠に上昇する株など見たことはないし、消えゆく銘柄も多い。
それが相場の宿命なのだが、渦中にいると気がつかないことばかり。
我が世の春とばかりに短期上昇した銘柄の上場廃止。
あるいは株価100分の1になっての長期低迷。
疾風怒濤に上がり続ける有頂天外の時間は短いもの。
市場からほとんど顧みられることもなく記憶の彼方に消え去り、雌伏の時間を過ごしている銘柄は多いようです。
そういう銘柄が数多く脳裏に去来するのもまた相場なのでしょう。

「株式市場の鐘の声、諸行無常の響きあり。
ストップ高にテンバーガー、盛者必衰の理をあらはす。
奢れる高値も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。
ダブルバーガーの夢も遂にはほろびぬ、ひとへに売り板の前の塵におなじ」。

NY株は雇用統計通過で金利は低下したものの不良債権問題で軟調。
東京も日銀金融政策決定会合現状維持で金利は低下したが円高を背景に軟調。
金利ばかりを注視し、景気や業績を顧みることなくインフレをテーマとした市場。
「ハチの一刺し」とか「アリの穴から堤も崩れる」みたいなもの。
市場が真剣に高級に議論するテーマは本来は正解ではなく、真相は別のところにあることが多いもの。

NYでは恐怖と欲望指数が35の弱気水準まで低下。
東京では空売り比率が38.9%→52.7%まで上昇。
空売り規制なしの銘柄の比率は18.4%。
冷静に数字を確認することが必要な場面になってきた。

PBRのパラドックス。
PBR1倍割れ問題が市場に広く言われ始めました。
PBRを挙げるために必要なのは、フツーに考えれば株価の上昇。
これは明確な未来計画や強い経営などで肉付けされるのでしょう。
PBRは株価÷1株当たり純資産(BPS)。
株価が一定と仮定するとBPSが増加するとPBRは低下します。
純資産を増やすことはPBRの低下に拍車をかけることになります。
だったら純利益を使い、純資産を使えば良いという市場関係者も見かけます。
配当だろうと、設備投資だろうととにかくおカネを使うか資産を売りまくること。
それでいいのかは別にして、割り算の分母を減らせばよいという不毛の議論にもなりかねません。
ここには自社株買いも加わります。
これら全部をやろうとして発表されたのが昨日の大日本印刷。
自社株買い、ROEの向上、事業投資、遊休資産の売却、そして中計。
PBR1倍への道筋の百貨店みたいなものです。
前向きには「お金を使って未来を開発」。
後ろ向きには「なんでも配っちゃえ」。
面白いが不毛でもあります。

新型コロナが登場した時調べてたのが「スペイン風邪」。
結局3年かけて終焉を迎えていたのが1900年前半の時代の歴史。
今回も3年という時間軸で収まりつつある風景。
2020年春には「まさか今回も3年」と考えたが、通過してみると「やはり3年」だったことになります。
歴史とその時間軸は繰り返すものなのでしょう。

以下は今朝の場況。

「恐怖と欲望指数は22→20と超弱気水準」

週明けのNY株式市場で主要3指数は不安定な動き。
シリコンバレー銀行(SVB)破綻の影響波及を巡る懸念が高まり、銀行株が売られた。
逆にFRBが積極的な利上げペースを緩めるという期待から、一部銘柄は下げ止まり。
S&P500は年初来の上昇率が約1%に縮小。
一時は年初来の上げ全てを消す展開だった。
「消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が衝撃的に悪化すれば、FRBはより厳しい」。
そんな勝手な声も聞こえる。
規制当局が閉鎖したシグネチャー・バンクは売買停止。
NASDAQは追加情報の要請が「完全に満たされるまで」売買停止を継続するとした。
バイデン大統領は、SVB、シグネチャー・バンクの破綻に絡み「米銀行システムは安全」とコメントした。
中堅銀行ファースト・リパブリック銀行は新たな資金確保を発表したにもかかわらず急落。
ウェスタン・アライアンス・バンコープ、パックウェスト・バンコープも下落。
数回にわたり売買が停止された。
平均証拠金残高や顧客資産の減少を報告したチャールズ・シュワブも急落。
製薬大手ファイザーは上昇。
がん治療薬を強みとする同業シージェンを約430億ドルで買収すると発表した。
シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を受けFOMCで大幅利上げが決定されるとの観測が後退。
短期債を中心に利回りが急低下した。
FOMCでの利上げ幅が0.25%になる確率が69%。
利上げ停止の確率は30%以上。
シリコンバレー銀行の破綻前は0.50%の利上げが見込まれていた。
金利先物が見込むターミナルレート(政策金利の最終到達点)金利は4.8%。
先週は5.5─6%だった。
CMEのフェドウオッチによると来週のFOMCで利上げが見送られる確率は43.9%。
10年国債利回りは3.554%。
一時3.418%と、2月3日以来の低水準を付けた。
2年国債利回りは4.015%。
一時は昨年10月以来初めて4%を割り込んだ。
1日の下げとしては1987年10月の「ブラックマンデー」以来の大きさ。
過去3営業日の低下幅は0.96%と1987年10月以来の大きさ。
2年債と10年債のイールドギャップは一時マイナス0.581%まで縮小した。
ドル円は133円台前半。
WTI原油先物4月限は前日比1.88ドル(2.5%)安の74.80ドル。
一時72.30ドルまで売られ、12月以来の安値を付けた。
SKEW指数は122.22→130.27→132.14。
恐怖と欲望指数は22→20。
昨年10月22日が18、9月30日が15だった。

週明けのNYダウは90ドル(0.28%)安の31819ドルと5日続落。
高値32240ドル、安値31624ドル。
サイコロは5勝7敗。
騰落レシオは77.38%(前日77.38%)。
NASDAQは49ポイント(0.45%)高の11188ポイントと3日ぶりに反発。
高値11326ポイント、安値10982ポイント。
サイコロは5勝7敗。
騰落レシオは74.82%(前日74.72%)。
S&P500は5ポイント(0.15%)安の3855ポイントと3日続落。
高値3905ポイント、安値3808ポイント。
サイコロは5勝7敗。
騰落レシオは71.94%(前日69.58%)。
ダウ輸送株指数は234ポイント(1.65%)安の13974ポイントと3日続落。
SOX指数は2ポイント(0.08%)安の2921ポイントと3日続落。
VIX指数は26.52と上昇。
週末の3市場合算出来高は151.7億株(前日151.7億株、直近20日平均は111.3億株)。
シカゴ225先物円建ては大証日中490円安の27160円。
ドル建ては大証日中比415円安の27235円。
ドル円は134.85円。
10年国債利回りは3.554%。
2年国債利回りは4.015%。

「日銀が12月2日以来のETF買い」

週明けの日経平均は寄り付き257円安。
終値は311円(▲1.11%)安の27832円と続落。
下落幅は一時500円を超した場面もあった。
金曜は28558円→28424円に窓。
月曜は28118円→27907円に窓。
これで下に2空。
5日間で合計1125円(4.1%)上昇し2日で790円の下落。
日足は2日連続で陰線。
SQ値28377円に対しては2敗。
6日ぶりに終値で節目の28000円を下回った。
TOPIXは30.59ポイント(▲1.51%)安の2000イントと続落。
前場の下落率が2%を超えたことから後場は日銀はETFを701億円買い入れた。
日銀のETF買い入れは12月2日以来。
その前は6月18日だった。
プライム市場指数は15.75ポイント安の1029.61と続落。
33日連続で1000ポイント台。
東証マザーズ指数は6.35ポイント(▲0.83%)安の755.84と続落。
プライム市場の売買代金は3兆1285億円(前日は4兆1566億円)。
値上がり171銘柄(前日125銘柄)。
値下がり1639銘柄(前日1673銘柄)。
新高値8銘柄(前日79銘柄)。
新安値23銘柄(前日8銘柄)。
プライム市場の騰落レシオは122.20(前日127.62)。
NTレシオは13.91倍(前日13.85倍)。
56日連続で13倍台。
サイコロは8勝4敗で66.66%。
TOPIXは9勝3敗で75.00%。
マザーズ指数は7勝5敗で58.33%。
上向きの25日線(27717円)からは△0.41%(前日△1.52%)。
9日連続で上回った。
下向きの75日線は27311円。
12日連続で上回った。
ただ200日線を下回った格好は継続。
上向きの200日線(27352円)からは△1.76%(前日△2.91%)。
12日連続で上回った。
下向きの5日線は28270円。
2日連続で下回った。
25日線が75日線と200日線を上回った状態は14日連続。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.738%(前日▲12.130%)
買い方▲8.124%(前日▲5.377%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲7.955%(前日▲8.788%)。
買い方▲22.626% (前日▲21.348%)。
空売り比率は44.7%(前日52.7%、前々日38.9%。2日連続で40%超)。
金曜の50%台は1月5日の51.0%以来だった。
空売り規制なしの比率は7.8%(前日18.4%)。
2月24日以来の2ケタ(10.0%)だった。
日経VIは18.61(前日17.89)。
2月16日の安値は14.63。
日経平均採用銘柄の予想PERは13.12倍(前日13.33倍)。
13日連続で13倍台。
前期基準では13.63倍。
EPSは2121円(前日2111円)。
11月15日の過去最高準は2238円。
225のPBRは1.18倍(前日1.23倍)。
BPSは23587円(前日23461円)。
10年国債利回りは0.295%(前日0.395%)。
過去2日間の利回り低下は0.2%超で24年ぶりの大きさ。
日経平均の予想益回りは7.62%。
予想配当り利回りは2.33%。
プライム市場の予想PERは14.10倍。
前期基準では14.34倍。
PBRは1.19倍。
プライム市場の予想益回りは7.08%。
配当り利回り加重平均は2.51%。
プライム市場の単純平均は33円安の2488円。
プライム市場の売買単価は2117円(前日2454円)。
プライム市場の時価総額は719兆円(前日736兆円)。
ドル建て日経平均は207.43(前日206.63)と反発。
44日連続で200ドル台。
週明けのシカゴ225先物円建ては大証日中比490円安の27160円。
高値27715円、安値26995円。
大証先物夜間取引終値は日中比420円安の27230円。
気学では「前日が高かりし時は反落する日」。
水曜は「弱象日。戻り売り方針」。
木曜は「突っ込みは利食いし戻り売り」。
金曜は「戻り売りの日。高値を見計り売り方針」。
ボリンジャーのプラス1σが28076円。
プラス2σが28435円。
マイナス1σが27359円。
マイナス2σが27000円。
3月権利配当落ち分は約252円。
SQ通過で29日まで先物と現物の逆ザヤは252円。

《今日のポイント3月14日》

(1)週明けのNY株式市場で主要3指数は不安定な動き。
   FOMCでの利上げ幅が0.25%になる確率が69%。
   利上げ停止の確率は30%以上。
   CMEのフェドウオッチによると来週のFOMCで利上げが見送られる確率は43.9%。
   10年国債利回りは3.554%。
   一時3.418%と、2月3日以来の低水準を付けた。
   2年国債利回りは4.015%。
   一時は昨年10月以来初めて4%を割り込んだ。
   1日の下げとしては1987年10月の「ブラックマンデー」以来の大きさ。
   過去3営業日の低下幅は0.96%と1987年10月以来の大きさ。
   2年債と10年債のイールドギャップは一時マイナス0.581%まで縮小した。
   ドル円は133円台前半。
   SKEW指数は122.22→130.27→132.14。
   恐怖と欲望指数は22→20。
   昨年10月22日が18、9月30日が15だった。

(2)ダウ輸送株指数は234ポイント(1.65%)安の13974ポイントと3日続落。
   SOX指数は2ポイント(0.08%)安の2921ポイントと3日続落。
   VIX指数は26.52と上昇。
   シカゴ225先物円建ては大証日中490円安の27160円。

(3)プライム市場の売買代金は3兆1285億円(前日は4兆1566億円)。
   値上がり171銘柄(前日125銘柄)。
   値下がり1639銘柄(前日1673銘柄)。
   新高値8銘柄(前日79銘柄)。
   新安値23銘柄(前日8銘柄)。
   プライム市場の騰落レシオは122.20(前日127.62)。
   NTレシオは13.91倍(前日13.85倍)。
   56日連続で13倍台。
   サイコロは8勝4敗で66.66%。

(4)上向きの25日線(27717円)からは△0.41%(前日△1.52%)。
   9日連続で上回った。
   下向きの75日線は27311円。
   12日連続で上回った。
   ただ200日線を下回った格好は継続。
   上向きの200日線(27352円)からは△1.76%(前日△2.91%)。
   12日連続で上回った。
   下向きの5日線は28270円。
   2日連続で下回った。
   25日線が75日線と200日線を上回った状態は14日連続。

(5)松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.738%(前日▲12.130%)
   買い方▲8.124%(前日▲5.377%)。
   マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲7.955%(前日▲8.788%)。
   買い方▲22.626% (前日▲21.348%)。

(6)空売り比率は44.7%(前日52.7%、前々日38.9%。2日連続で40%超)。
   金曜の50%台は1月5日の51.0%以来だった。
   空売り規制なしの比率は7.8%(前日18.4%)。
   2月24日以来の2ケタ(10.0%)だった。
   日経VIは18.61(前日17.89)。
   2月16日の安値は14.63。

(7)日経平均採用銘柄の予想PERは13.12倍(前日13.33倍)。
   13日連続で13倍台。
   EPSは2121円(前日2111円)。
   11月15日の過去最高準は2238円。
   225のPBRは1.18倍(前日1.23倍)。
   BPSは23587円(前日23461円)。
   10年国債利回りは0.295%(前日0.395%)。
   過去2日間の利回り低下は0.2%超で24年ぶりの大きさ。

(8)プライム市場の単純平均は33円安の2488円。
   プライム市場の時価総額は719兆円(前日736兆円)。
   ドル建て日経平均は207.43(前日206.63)と反発。
   44日連続で200ドル台。

(9)ボリンジャーのプラス1σが28076円。
   プラス2σが28435円。
   マイナス1σが27359円。
   マイナス2σが27000円。
   3月権利配当落ち分は約252円。
   SQ通過で29日まで先物と現物の逆ザヤは252円。

今年の曜日別勝敗(3月13日まで)

月曜5勝4敗
火曜6勝3敗
水曜6勝4敗
木曜5勝4敗
金曜7勝3敗
(櫻井)。