Blog

ブログ

2022.03.10 中嶋 健吉

グローバリゼーションの終わり

他に仕事を抱えていたため、3週ぶりのブログ投稿です。 その間のロシア、ウクライナ問題は解決の糸口も見つからず、今までの価値観の変更を迫っているかに思えます。 その一つが、グローバリゼーションからローカリゼーションへの経済活動の転換だと、個人的に考えているのですが。

1989年11月のベルリンの壁崩壊に続き、1990年にはソ連邦が消滅します。 その結果、非自由主義経済圏からおよそ30億人が、自由経済圏に拡散します。経済のグローバル化の始まりです。 それまでは由主義経済圏のG7 が、世界のGDP20.5兆ドルのほぼすべてを独占していました。 しかしグローバル化により、世界経済は85兆ドルまで急拡大、それに伴いG7のシェアーは45%に縮小、変わってG20 で90%を占めることになります。 経済のグローバル化に伴い、大手企業は生産コストの安い国に進出、消費者に安価で高品質な製品を提供することで成長を加速させます。 大企業(多国籍企業)がほぼすべての国に何らかの工場を持ち、世界的流通網が構築されます。 

しかし今回発生した世界的なパンデミックは、お互いが補完し合う流通網を分断し、半導体不足の影響を見るまでもなく、一つのパーツの不足が最終製品に影響を与える結果を生むことになります。 更に温暖化問題に端を発するSDGs、ESGの考えは、多国籍企業と消費者だけがステークホルダーではないこと、そして何よりも人件費はコストではなく、成長への重要なファクターであると我々に認識させた様です。  経済を成長させるには、貿易より地産地消型の内需拡大型への価値観の変更です。

そしてそうした事をより強く意識させられたのが、今回のロシア発の地政学リスクです。 経済の根幹のエルギーを、他国に依存する危険を明確にしたと言えます。 サプライチェーンの混乱から地産地消型経済、つまりローカライゼーションへの移行です。 つまりグローバリゼーションは、ソ連で始まり、結局ロシアで終わりを迎えた事になりそうです。