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2022.02.16 鈴木 一之

今夜は湯豆腐にしようか

コロナ禍が広がる前と後で変わったことは何か、とよく考えます。「ニューノーマル」を探していますが、なかなかこれだ、というのが見つかりません。

外食をしなくなった、「家飲み」の回数が増えた、働き方がリモートになった、電車が空いている、テイクアウトが増えたのでプラスチックごみが増えた、などなど。身の回りでも小さな変化がたくさん起こっています。

私に関して言えば、近所のスーパーに買い物に行く機会が増えました。以前はカミさんの荷物持ちとして、「金魚の○○」みたいにくっついて行くことがほとんどでした。それコロナ禍からこちら、自分から自発的に、ひとりでスーパーに寄る回数がぐっと増えました。

そして勝手に大根やら、サトイモやら、こんにゃくやら、おでんのタネやら、食べたいものを手当たり次第に買ってしまい、家に持ち帰ります。自分で料理はあまりせず、慣れていないもので、買って帰ったあとはそれらの食材をカミさんに押しつけて、所望する料理を作ってもらいます。

ただし毎度そうだとさすがに怒られるので、時々は私が作ります。あまり美味しくはありませんが、まあごく普通の肉じゃがや鍋物などが食卓に並びます。。

スーパーに寄って気になるのは、商品の品出しをしている店員さんがそろって、かなり高齢の方が多いという点です。皆さん一生懸命に品出しをされていますが、脇に置いてある段ボールがなんとも重たそうです。腰痛は大丈夫ですかといらぬ心配をしてしまいます。

そう思って日々の買い者を続けていたら、先日の新聞に「小売業で労災が増加」という記事を見かけました。なんでも小売業界では年間の死傷事故が1万7000人を超えているそうで、この20年で+4割も増加したらしいです。

高所作業の多い建築業界では、今では安全管理を徹底して、1年間の労災は1万5000人にとどまっています。テクノロジーの発展もあって、この20年で▲46%も減少しました。

記事の中では、原因は小売業の高齢化、そして自動化の遅れだそうです。店内の段差で転んだり、重いものを持って腰痛になったり、というのが多いようです。

製造業と比べて小売業は年間の付加価値(利益)の額が少ないので、ロボットを用いた自動化や合理化が遅れているそうです。小売業界では65歳以上の方がいまや96万人も所属しているそうで、この20年で5割も増加したと書いています。

食品売り場は冷凍・冷蔵の陳列棚が多いので、売り場はさぞ冷えることでしょう。ロボットによる自動化やAIで自動発注すればよいのかもしれませんが、そうなると今度は高齢の方の職場が失われてしまいます。人生100年時代、どうすればよいのでしょうか、知恵を絞ってゆかなくてはなりません。

ということを考えながら、よし今夜はアツアツの湯豆腐にしよう。そうしましょう。
(スズカズ)