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2022.01.26 鈴木 一之

ファイターの心に火がともる

株価の下落が止まりません。日経平均は昨日(1月25日)、ザラ場中に27,000円の大台を割り込みました。震源地は米国とロシア、そして中国です。

過去半年間、世界のマネー市場をやきもきさせ続けてきた米国の金融政策が、いよいよ今週大きく変わろうとしています。目の前で進行する物価上昇を食い止めるためにどこまで金融を引き絞ってゆくのか、その規模とスピードに全世界が視線を注いでいます。

同じように大国・ロシアの軍事行動にも注視しています。本当にロシアはウクライナに軍隊を侵攻させるのか。2014年3月にクリミア半島を武力併合した時は、ドイツを中心にロシアに対する経済制裁が発動され、世界経済は一斉に下降トレンドに変わりました。

当時も今と同じように米国は金融引き締め期に入っており、翌年夏の「チャイナ・ショック」を経て、世界経済が上向きトレンドに入るまでに2年以上を要しました。

その一方で中国は先行して景気鈍化に向かっています。中国人民銀行は立て続けに2回、最優遇貸出金利の引き下げを行いました。北京五輪の開催を控えて少なからぬ情報統制がなされていることも考えられ、五輪明けの動向が今から気になります。

その上にコロナウイルスの感染拡大が広がります。「Gゼロ」。中心なき世界が突如として目の前に広がっています。1月から2月中旬は季節的に株価が下がりやすいとされており、今年は調整局面が大幅に前倒しで到来したことになるようです。

ここでも焦点となるのは企業の行動、アクションです。視界がふさがれて不透明さが極まるように思える時ほど、水面下の見えないところでは企業のアニマルスピリッツが発揮されます。経営者や起業家はそうでなくてはなりません。

株価が下落することは誰にとってもつらくて厳しい、しんどいことに違いありませんが、しかしファイターの心に火がつくという点において、調整は悪いことばかりではありません。困難ではありますがそれらを見つけてゆきたいと思います。
(スズカズ)