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2022.01.19 鈴木 一之

3か月後の今ごろ、おそらく何か動きがあるはずです

新しい年が始まり、1月も半分が過ぎました。南太平洋の楽園、トンガで巨大な海底火山が爆発するなど、今年は早くも人類の想像などまるで及ばないほど大きな出来事、事件、ニュースが相次ぐような気配が漂っています。

コロナ感染症もなかなか収まらず、人々は外出をためらっています。企業経営者の悩みは尽きません。明日の方向性さえ見とおせない市場環境に直面しても、株式市場からは永遠の成長を要求され、取引先からは継続的・安定した取引の継続を求められ、社員にはできるだけ厚遇と賃上げをしてあげたいと考えています。それがなかなかかないません。

年明け最初の株式マーケットのイベントとして、2月、8月期の小売企業の四半期決算の発表が終わりました。目立っていたのは海外市場の好調ぶりです。

第1四半期の決算を発表したファーストリテイリングは、収益の3割を占める海外部門で売り上げが+15%、営業利益が+45%も増えました。中国・台湾は外出自粛の影響で伸び悩んでいますが、代わって欧州が大きく伸び、米国は黒字に転換しました。今回の決算シーズンで最も大きなサプライズとなりました。

セブン&アイ・ホールディングスは第3四半期の決算発表を終えた段階で、通期の営業利益の見通しを3800億円から4000億円に、+200億円の増額修正を発表しました。買収を完了したばかりの海外コンビニ部門が上乗せの牽引役です。株式市場ではこの増額もプラス方向にとらえています。

コロナ禍に直撃される3~4年前から、セブンイレブンをはじめコンビニ各社は成長戦略の谷間に入っていました。これまでの出店ラッシュによる売り上げ成長がマンパワーやロジスティクス面の限界を迎え、新しい戦略の発見、開発が求められていました。ローソンは「成城石井」を取り込み、ファミリーマートはユニー、ドン・キホーテと組んで、それぞれ異なった路線を歩み始めました。セブンイレブンは海外に活路を求めました。

その間に経営者も資本構成もかなり変わりました。そして現在、各社がそれなりに成果を出し始めた地点でコロナ禍に見舞われました。真価はここから発揮されます。まさに夜明け前。追撃で新たな戦略を打ち出すタイミングに差しかかっているように見えます。2月本決算を締めたあと、3か月後の今ごろにおそらく、何か動きがあるはずです。

出すなら今です。コンビニや小売業界に限らず、そういう大きな変化の時期が到来しているのだと(勝手に)思っています。
(スズカズ)