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2022.01.18 櫻井 英明

それが大事

1961年以来の東証市場再編。
世界経済をリードするプライム上場は1840社。
経過措置を受ける銘柄が296社。
スタンダードに移行する銘柄が321社。
事業範囲が国内のためにあえてスタンダードという銘柄が23社。
理想的な市場を目指したいという様々な議論はあるでしょう。
しかし結論は出たということ。
4月4日には実施されることになります。
同時に東証プライム指数、東証スタンダード指数、東証グロース指数も誕生。
とにかく課題は時価総額の増大と成長感の醸成。
東証1部の1銘柄あたりの時価総額446億円。
NYSEはこれが3269億円。
そしてPBR1倍割れが49.0%。
NYSEは11.8%。
PBR1倍割れ企業は企業が投資家の求めるリターンを上回る利益を上げられていないことを意味するもの。
これが正しい理解でしょう。
決して「割安」ということではないと思います。

カタチこだわるのか、実質を成長軌道に変化させるのかが問われた市場再編。
ココをはき違えると大きな誤解と錯覚に陥ってしまいそうです。
気候変動対策も社外取締役や女性役員の数も所詮形式基準。
官僚チックにこだわってもあまり意味はなさげなこと。
課題はどこにどう投資を行い売り上げを伸ばし利益を拡大するのか。
問われているのは本業の成長性の継続に他ならないでしょう。
ココさえしっかりしていれば市場は形式基準には沈黙する筈。
そもそも、英文の決算報告書や事業報告書なんて統合報告が登場するはるか前の90年代から注目ポイントとしてきたシロモノ。
体裁を整えるためではなく、これがないと海外投資家の理解が不可能だからでした。
もっとも・・・。
現場ではなく大本営的に本社が頭で考えると姿勢は高級ながらも成長の芽は摘まれかねません。

東証1部上場のIT企業の創業会長の話が印象に残りました。

創業から長い間。
年始回りというとまずは銀行の支店長のところに行った。
年初の仕事始めは取引先よりも数行の銀行の支店長に「今年もよろしくお願いします」。
成長のための資金繰りこそ優先事項という状況だったからこれが重要な年中行事だった。
そういう企業ばかりだったから銀行支店長のところは門前市をなす状態。
数十社のトップや財務部長が毎年来る風景だった。
なにしろ資金がなければ成長は止まってしまうのだから当然だったろう。
ゴルフや会食の接待も数多く行っていた。
ただ、上場以降はこれに証券会社の事業法人部や引受部が加わった。
当時としては珍しかったことだと思う。
しばらく両方を訪ねる年始がが続いた。
でも銀行の方が用事がなくなってきたのが現実。
「貸し出しはいくらでもします」と言われても、必要資金は潤沢。
売り出しでも債券発行でも何でも可能になったので必要がなくなってきた。
コロナ禍の影響もあってこの3年は銀行へは年始回りに行かなくなった。
証券会社だけは続けている。
というか、証券会社に行くことは銀行にいくよりも意味があるからだ」。
「銀行よサヨウナラ、証券よコンニチワ」と言われたのは1960年代のこと。
それでも肌感覚で感じることはなかったのが現実。
しかも運用中心のリテールの世界での話だった。
事業法人の世界で証券会社の営業マンが年始回りに行くのは当然のこと。
でもプライム市場の上場企業のトップが年始にあいさつに行くのが証券会社。
IPOを控えた会社やIPO直後の会社の話ではない。
プライム市場確定の東証1部上場企業のトップの話。
風景は明らかに変化してきたような印象だ。
おそらく現場の証券マンはこの変化には意外と気が付いていないのかも知れない。
「間接金融の世界から直接金融の世界へ」はお題目ではなくなってきたようだ。
その意味では証券界も媚びることではなく自信を持つことが必要になってこようか。

そして同会長氏。
「成長と分配は毎年行っています。
5%成長すれば3%の賃上げ。
25%成長だったら20%の賃上げ。
それを実行してきました。
年収600万円→800万円。
年収800万円→1000万円。
年収1000万円→1300万円。
この世界を描いてあげることで社員は成長を目指して動いてくれます」。

つまり鶏と卵の話のようですが成長の絵図を具体的に示し分配の未来像を絵描くこと。
多くの企業がこれを行えばよいだけのこと。
「非正規社員が多いから収入が上がらない」なんてことはなくなります。
加えて、賃上げ企業には税制優遇をするというのが政府の方針。
税務効果だけでも賃上げはできるはずです。
政府は個々人の能力を高める施策に4000億円を投入という話。
勉強して知識をつければ成長するのだろうかという疑問も残ります。
「現場の売り上げと利益が成長すれば分配を増やす」。
単純な方が分かりやすくなります。

《兜町ポエム》

「それが大事」

負けない事、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じぬくこと
ダメになりそうな時 それが一番大事

涙見せてもいいよ
それを忘れなければ
大きな利益は大切だけどし安くても動いている株が素晴らしい

相場にいるだけで傷ついてる人はいるけど
さんざんわがまま言った後
相場への思いは変わらないけど

思わぬいじわる時折負けそうになる
今の相場の下落がさびしいのじゃなくて
株安に嘆いていると思うことがさびしい

負けない事、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じぬくこと
ダメになりそうな時 それが一番大事

以下は今朝の場況、

「FT100は2年ぶりの高値水準」

「NY休場」

週明けのNY株式市場はキング牧師生誕祭で休場。
ロンドン株式市場は反発しFTSE100は約2年ぶりの高値。
製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)などヘルスケア株が上昇。
グレンコア、BP、ロイヤル・ダッチ・シェルが指数を押し上げた。
独クセトラDAX、仏CAC40も上昇。

「25日線(28635円)はまだ遠いか」

週明けの日経平均は寄り付き208円高。
終値は209円(△0.74%)高の28333円と3日ぶりに反発。
週末のマド28444円ー28252円は埋めた。
SQ値28266.57円は上回って1勝1敗。
日足はほぼ十字線ながら3日ぶりに陽線。
TOPIXは0.46%高と3日ぶりに反発。
東証マザーズ指数は1.51%安と3日続落。
日経ジャスダック平均は0.59%安と3日続落。
東証1部の売買代金は2兆3179億円(前日3兆4410億円)。
値上がり962銘柄(前日503銘柄)。
値下がり1120柄(前日1599銘柄)。
新高値29銘柄(前日15銘柄)。
新安値124銘柄(前日192銘柄)。
騰落レシオは90.36(前日91.92)。
NTレシオは14.26倍(前日14.22倍)。
サイコロは5勝7敗で41.67%。
下向きの25日線(28635円)からは▲1.05%(前日▲1.86%)。
3日連続で下回った。
下向きの75日線は28823円。
7日連続で下回った。
下向きの200日線(28783円)からは▲1.56%(前日▲2.30%)。
7日連続で上回った。
下向きの5日線(28387円)から▲0.19%。
松井証券信用評価損益率速報では未着。
週末時点で売り方▲13.411%(前日▲13.411%)。
買い方▲10.575% (前日▲10.575%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△9.399%(前日△9.399%)。
20年3月13日が△14.653%だった。
買い方▲31.314% (前日▲31.314%)。
空売り比率は42.9%(前日50.5%、3日連続で40%超)。
昨年10月28日が54.2%、20年3月6日が52.1%だった。
空売り規制なしの比率は7.1%(前日13.2%)。
19年3月8日が14.6%だった。
日経VIは21.26(前日21.90)。
日経平均採用銘柄の予想PERは13.96倍(前日13.88倍)。
2日連続で13倍台。
前期基準では18.94倍。
EPSは2029円(前日2026円)。
225のPBRは1.28倍。
BPSは22135円(前日22145円)
日経平均の益回りは7.16%。
10年国債利回りは0.140%。
東証1部全銘柄だと予想PERは15.20倍。
前期基準では20.93倍。
PBRは1.28倍。
東証1部単純平均株価は1円高の2306円。
東証1部売買単価は2327円(前日2443円)。
東証1部時価総額は731兆円(前日728兆円)。
ドル建て日経平均は247.52(前日247.31)。
週末のシカゴ225先物円建ては大証日中比110円高の28300円。
高値28325円、安値27860円。
週明けの大証先物夜間取引終値は日中比60円高の28400円。
気学では「弱含みの日なれど、後場急伸することあり」。
水曜は「前日来の足取りに変化を見せる日」。
木曜は「戻り売りの日。高値のみ見計り売り方針良し」。
金曜は「戻り売り方針の日」。
ボリンジャーのマイナス1σが28307円。
マイナス2σが27989円。
マイナス3σが27650円。
一目均衡の雲の上限が28854円。
下限が28617円。
3日連続で雲の下。
勝手雲の上限は28780円。
下限が28608円。
2日連続で勝手雲の下。
RSIが43.94(前日44.33)。
RCIが16.48(前日20.60)。
1月14日→2月4日水星逆行。

《今日のポイント1月18日》

(1)週明けのNY株式市場は休場。
   ロンドン株式市場は反発しFTSE100は約2年ぶりの高値。
   独クセトラDAX、仏CAC40も上昇。
   
(2)東証1部の売買代金は2兆3179億円(前日3兆4410億円)。
   新高値29銘柄(前日15銘柄)。
   新安値124銘柄(前日192銘柄)。
   騰落レシオは90.36(前日91.92)。
   NTレシオは14.26倍(前日14.22倍)。

(3)下向きの25日線(28635円)からは▲1.05%(前日▲1.86%)。
   3日連続で下回った。
   下向きの75日線は28823円。
   7日連続で下回った。
   下向きの200日線(28783円)からは▲1.56%(前日▲2.30%)。
   7日連続で上回った。
   下向きの5日線(28387円)から▲0.19%。

(4)松井証券信用評価損益率速報では未着。
   週末時点で売り方▲13.411%(前日▲13.598%)。
   買い方▲10.575% (前日▲10.052%)。
   マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△9.399%(前日△6.313%)。
   20年3月13日が△14.653%だった。
   買い方▲31.314% (前日▲30.057%)。

(5)空売り比率は42.9%(前日50.5%、3日連続で40%超)。
   空売り規制なしの比率は7.1%(前日13.2%)。
   19年3月8日が14.6%だった。
   日経VIは21.26(前日21.90)。

(6)日経平均採用銘柄の予想PERは13.96倍(前日13.88倍)。
   EPSは2029円(前日2026円)。
   BPSは22135円(前日22145円)
   日経平均の益回りは7.16%。
   10年国債利回りは0.140%。

(7)東証1部単純平均株価は1円高の2306円。
   東証1部時価総額は731兆円(前日728兆円)。
   ドル建て日経平均は247.52(前日247.31)。

(8)ボリンジャーのマイナス1σが28307円。
   マイナス2σが27989円。
   マイナス3σが27650円。
   一目均衡の雲の上限が28854円。
   下限が28617円。
   3日連続で雲の下。
   勝手雲の上限は28780円。
   下限が28608円。
   2日連続で勝手雲の下。
   RSIが43.94(前日44.33)。
   RCIが16.48(前日20.60)。
   1月14日→2月4日水星逆行。

今年の曜日別勝敗(1月17日まで)

月曜1勝0敗
火曜1勝1敗
水曜2勝0敗
木曜0勝2敗
金曜0勝2敗
(櫻井)