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2022.06.28 櫻井 英明

7月末はヒジュラ暦の新年

先週末のNY市場でのFTSEラッセル入れ替えは大きなイベントとなりました。
3市場の売買高は190億株(前日は124億株、直近20日平均129億株)。
ラッセル2000などの銘柄入替の影響で大幅増。
因みに・・・。
FTSEラッセルの年次調整は毎年6月の最終金曜日。
小型株のラッセル2000指数、大型株のラッセル1000指数、両者を合わせたラッセル3000指数、
ラッセル1000グロース株指数、ラッセル2000バリュー株指数も対象です。
入れ替え日はしばしば、1年で最も出来高が膨らむ日になるというのがアノマリー。
ラッセルの米国株指数に連動する投資家の運用資産は昨年末時点で約10兆6000億ドル。
そしてラッセル3000指数の組み入れ銘柄の時価総額の変化。
昨年は31兆4000億ドルでしたが、今年は5月7日時点で47兆7000億ドルに増加していました。
大型株のラッセル1000指数と小型株のラッセル2000指数の対象銘柄の時価総額の境目は昨年は30億ドル。
今年は52億ドル水準。
入れ替えの当日に出来高が増えるのは毎年引け際が多いのは洋の東西で一緒。
出来高が年間で最大となることもしばしばあります。
パッシブ運用ファンドからの取引が、大半は引け際の約15分間に集中。
差し引きで総額750億ドル近い取引になるとの予想でした。

場況と言うのは記者という専門家が書いていると思うのが常識。
しかし実際は素人が書いたような記事が証券面では登場することがあります。
例えば「売られすぎ銘柄上昇」という解説。
マイナスかい離の銘柄の上昇が目立ったという解説はその通り。
「値ごろ感のある銘柄が上昇。
短期筋による買い戻しが目立った」。
本当に買い戻しを確認したのかか単なる観測なのかは不明。
そもそも「値ごろ感」って何なのでしょうか。
コレは難しい解釈です。
気になったのは「前日のNY市場が休場。
海外投資家の動きが鈍く、プライム市場の売買高は前週末より4割少なかった」。
売買代金は2兆6191億円で月曜の2兆7163億円よりは少ない。
でも金曜のプライム市場の売買代金4兆2721億円はFTSEの銘柄入れ替えの結果。
機械的にたまたま多かっただけであって、ここに相場観はありません。
しかも木曜が2兆6416億円だったので金曜を覗けばこのところのフツーの商い量でした。
それでも「4割減」の解釈は、素人でもしませんし、新人記者でも犯さない間違いでしょう。
記事をチェックする整理部でさえも機能してない印象。
論理は間違っていないが背景の解釈が稚拙。
これではクオリティが疑われるような気がします。

弱気派が強気に転じた時。
あるいは強気派が弱気に転じた時。
その豹変の意に反して相場は逆に動く事が多いようです。
いわゆる反指標となりやすいということ。
なぜ豹変が反転になるかというと・・・。
それが自己否定と謝罪の最終局目で発生するからでしょう。
自説の否定と相場観お誤りの言い訳を探して間違っていた自分に対する贖罪。
上がる上がる反転すると言い続けてもそうなりません。
可能な限り我慢した結果の翻意。
最終的にはトレンドには逆らえないと思った時が反転のタイミング。
これは相場観でも何でもありません。
相場観察の心理の綾の問題。。
そもそも相場は意のままに動くものではありません。
そして器用に動くものでもありません。
自分の思いの通りに動くという予断は傲慢でもあります。

際立ったのは先週の海外投資家売り個人買いの構図。
外国人は順張り、日本人は逆張り思考。

企業を見るときのポイントの中に計画性、継続性、スピード」というのは当然入ります。
日経朝刊「私の履歴書」に登場している住友林業の矢野龍最高顧問も「すぐやる、すぐ済む」と言っていました。
証券業界で言えば「後始末より前始末」ということ。
だいたいメールの返事など翌日になる筈はありません。
すぐ処理しておけばなんて事はないのになぜか先延ばしにして重く感じてしまうことになります。
「忘れた」は論外。
問題は計画性と継続性。
その先の未来が見えないから計画性がないことが増えます。
行き当たりばったりの仕事は格好良く言えば「業務多忙」ですが、段取りが悪いだけのこと。
その日暮らしの江戸時代の天秤棒のぼてふりの魚売りではないのですから少なくとも年間の計画くらいは欲しいもの。
問題は計画を立てるときの鉛筆さばきが妙に上手な会社員が多いこと。
実現できるかどうかは別にして関心するほど立派な計画がよく完成します。
これは日本経済の弱さの一因なのかも知れません。
そして継続性。
「勇気ある撤退」もあるのでしょうが、継続することが信頼。
そしてビジネスチャンスの種になるでしょう。
興味深かったのは先週の日経朝刊「ヒットのクスリ」に登場した有楽製菓の「ブラックサンダー」。
当初販売不振でしたがなぜか九州では売れていたそうです。
「製品の価値に自信を持ち、やめなかったこと」が奏功した好事例。
加えれば「感受性、創造力」だがこれは難しいこと。

21日付けの日本証券新聞の記事。
「株主総会シーズンの株高」

今週180勝109敗    勝率62.2%
6月27日32勝26敗   勝率55.1%
6月28日35勝23敗   勝率60.3%
6月29日35勝23敗   勝率60.3%
6月30日40勝18敗   勝率68.9%
7月 1日38勝18敗   勝率66.6%

その先にあるのは7月8日前後の「ETFの分配金ねん出のための売り」。

因みに日経平均の「前日比変わらず」があったのは1989(平成元)年1月12日。
日経平均が前日と全く同じ「31,143円45銭」。
1949年以来初だったとの記載がありました、
となると6月20日の「1分」は何だったのでしょう。
逆に2020年10月1日は終日売買停止でした。
しかし日経平均は「19銭安」。
10月1日付けの構成銘柄定期入れ替え日本化薬(4272)が除外。
ソフトバンク(9434)が補充された影響。

スケジュールを見てみると・・・。

【6月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
    気学では「夏至前後の安値は底入れとみて駆け引きすべき」。

6月27日(月)米耐久財受注
6月28日(火)NATO首脳会議、S&P住宅価格指数、CB消費者信頼感、大幅高の特異日
6月29日(水)消費動向調査、株主総会集中日、eスポーツビジネスEXPO(→1日 東京ビッグサイト)、
        上げの特異日、変化日、TOPIX銘柄入替、東証REITCORE指数パッシブ売買インパクト
6月30日(木)鉱工業生産、米個人所得支出、中国PMI
7月1日(金) 日銀短観、路線価、失業率、米ISM製造業景況感、中国財新PMI

【7月】5勝5敗、(勝率50%、10位)
    気学では「買いの月。吹き値は利食いして、押し目で買い戻せ」。

7月1日(金)日銀短観、路線価発表、米ISM製造業景況感、中国財新PMI
7月4日(月)マネタリーベース、独立記念日でNY休場、変化日
7月5日(火)毎月勤労統計、米製造業受注
7月6日(水)ISM非製造業景況感 JOLT求人件数、対中制裁関税延長要請期限、下げの特異日
7月7日(木)都心オフィス空室率、景気動向指数、米ADP雇用レポート、貿易収支、株安の日、
       TOPIX10?12月決算企業浮動株比率見直し発表
7月8日(金)オプションSQ、景気ウォッチャー調査、家計調査、パッシブ型ETF分配金支払い日、
       米雇用統計、消費者信用残高、株安の日
7月9日(土)中国生産者物価、消費者物価
7月10日(日)参議院選挙投開票
7月11日(月)マネーストック、機械受注
7月12日(火)国内企業物価指数、独ZEW景況感
7月13日(水)米消費者物価、財政収支、ベージュブック、中国貿易収支
7月14日(木)米生産者物価、変化日
7月15日(金)第三次産業活動指数、NY連銀製造協景況感、鉱工業生産、小売売上高、輸出入物価、
        ミシガン大学消費者信頼感、中国各種経済指標
7月18日(月)海の日で休場、米NAHB住宅指数、株安の日
7月19日(水)米住宅着工件数
7月20日(木)日銀金融政策決定会合(→21日)、首都圏マンション販売、米中古住宅販売
7月21日(金)日銀展望レポート、米フィラデルフィア連銀製造業景況感、ECB理事会、ECB総裁会見、株高の日
7月22日(金)消費者物価、株安の日、変化日
7月25日(月)独IFO景況感
7月26日(火)企業向けサービス価格指数、FOMC(→27日)、米CB消費者信頼感、FHFA住宅価格指数、
        S&P宗卓価格指数、新築住宅販売、下げの特異日
7月27日(水)米耐久財受注、FRB議長会見、株安の日
7月28日(木)米第2四半期GDP速報値、変化日、TOPIX、東証REIT指数パッシブ売買インパクト
7月29日(金)鉱工業生産、消費動向調査、商業動態統計、米個人所得、シカゴ購買部協会景気指数 
        ミシガン大学消費者信頼感、ユーロ圏GDP速報値、上げの特異日
7月30日(土)中国製造業非製造業PMI、イスラム・ヒジュラ歴の新年

以下は今朝の場況。

「小幅反落」

週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりに小幅反落。
主要指数は一時上昇していたが結局反落。
NYダウは前週に約1600ドル昇。
短期的に利益を確定する売りが優勢だった。
2015年以来7年ぶりに2四半期連続で下落する見通し。
NASDAQ総合は15年以来最長の3カ月連続の下げとなりそう。
アマゾンやマイクロソフト、アルファベット など金利に敏感な大型株の下げが目立った格好。
ボーイングやダウなど景気敏感株が売りに押されナイキやディズニーなど消費関連株も下落。
メルクやユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブセクターは上昇。
「方向感に欠けているのは第2四半期の決算シーズンを控えていることが背景」という見方だ。
月末と四半期末が重なる今週。
「株価下落を受け機関投資家が低下した株式の構成比を戻すための買いが入る可能性」も聞かれる。
米株式市場に300億ドル以上の資金流入を見込む金融機関もあるという。
5月の耐久財受注統計でコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注は前月比0.5%増。
市場予想の0.3%増を上回った。
4月は0.3%増。
前年同月比では10.2%増加した。
5月の中古住宅販売仮契約指数は前月比0.7%上昇の99.9。
市場予想(3.7%低下)に反し上昇。
2年ぶりの低水準だった4月から上昇した。
10年国債利回りは3.201%。
2年国債利回りは3.131%。
中国国家統計局が発表した5月の工業部門企業利益が前年同月比6.5%減少したことは悪材料視。
ドル円は135円台半ば。
ロシアの外貨建て国債がデフォルト(債務不履行)に陥ったとの観測からルーブルは下落。
WTI原油8月物は前日比1.95ドル(1.81%)高の1バレル=109.57ドル。
ビットコインは1.7%安の2万0810.34ドル。
今月の安値は1万7588.88ドル。
SKEW指数は120.43→119.98。
恐怖と欲望指数は27→29。

週明けのNYダウは62ドル(0.20%)安の31438ドルと3日ぶりに反落。
高値31598ドル、安値31351ドル。
サイコロは4勝8敗。
NASDAQは83ポイント(0.72%)安の11524ポイントと3日ぶりに反落。
高値11677ポイント、安値1187ポイント。
サイコロは6勝6敗。
S&P500は11ポイント(0.30%)安の3900ポ゚イントと3日ぶりに反落。
高値3927ポイント、安値3889ポイント。
サイコロは5勝7敗。
ダウ輸送株指数は34ポイント(0.26%)安の13513ポイントと3日ぶりに反落。
SOX指数は0.18%安の2713ポイントと反落。
VIX指数は26.95と低下。
3市場の売買高は109.1億株(前日は190億株、直近20日平均129.5億株)。
225先物CME円建ては大証日中比65円安の26755円。
ドル建ては大証日中比15円安の26755円。
ドル円は135.43円。
10年国債利回りは3.201%。
2年国債利回りは3.131%。

「6月権利配当付き最終日」

週明けの日経平均は寄り付き250円高。
終値は379円(△1.43%)高の26871円と3日続伸。
「日経平均の大発会からの平均値は117日で27028円」との声。
TOPIXは20.70ポイント(△1.11%)高の1887ポイントと続伸。
プライム市場指数は10.66ポイント(△1.11%)高の970.99と続伸。
東証マザーズ指数は0.36%高の674.10と3日続伸。
プライム市場の売買代金は2兆6990億円(前日は2兆9585億円)。
値上がり1297銘柄(前日1336銘柄)。
値下がり462銘柄(前日446銘柄)。
新高値53銘柄(前日31銘柄)。
新安値3銘柄(前日26銘柄)。
日経平均の騰落レシオは96.54(前日97.61)。
NTレシオは14.24倍(前日14.19倍)。
サイコロは6勝6敗で50.00%。
下向きの25日線(26971円)からは▲0.37%(前日▲1.80%)
11日連続で下回った。
上向いた75日線は26852円。
2日連続で上回った。
下向きの200日線(27876円)からは▲3.61%(前日▲4.99%)。
11日連続で下回った。
上向いた5日線は26386円。
3日連続で上回った。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲12.236%(前日▲11.033%)
買い方▲10.278%(前日▲11.589)。
売り買い逆転した。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲7.539%(前日▲7.111%)。
買い方▲29.377% (前日▲39.947%)。
空売り比率は42.3%(前日43.2%。3月24日から61日連続で40%超)。
空売り規制なしの比率は6.9%(前日8.1%)。
日経VIは22.73(前日23.08)。
日経平均採用銘柄の予想PERは12.90倍(前日12.76倍)。
10日連続で12倍台。
前期基準では13.02倍。
EPSは2083円(前日2076円)。
225のPBRは1.16倍。
BPSは23164円(前日23026円)。
10年国債利回りは0.230%。
プライム市場の予想PERは13.58倍。
前期基準では13.88倍。
PBRは1.17倍。
プライム市場の単純平均は24円高の2384円。
プライム市場の売買単価は2432円(前日2451円)。
プライム市場の時価総額は686兆円(前日679兆円)。
ドル建て日経平均は199.22(前日196.60)と3日続伸。
週明けのシカゴ225先物円建て終値は大証日中比65円安の26705円。
高値2650円、安値26615円。
大証先物夜間取引終値は日中比80円安の26690円。
気学では「高日柄にして押し目買いの日なれど飛び付き警戒」。
水曜は「気味の急変を見る日なり」。
木曜は「下放れすると保ちあい。上寄りすると反落する日」。
金曜は「下押し見せると小底を作り、上放れると反落する」。
ボリンジャーのプラス1σが27686円。
マイナス1σが26262円。
マイナス2σが25568円。
一目均衡の雲の上限が26501円。
下限が26506円。
10日ぶりに雲の上。
アノマリー的には「大幅高の特異日」。
月足陽線基準は27457円。(1日終値)。
前月末比プラス基準は27279円(31日終値)。
6月権利配当付き最終日。

《今日のポイント6月28日》

(1)週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりに小幅反落。
   10年国債利回りは3.201%。
   2年国債利回りは3.131%。
   ドル円は135円台半ば。
   SKEW指数は120.43→119.98。
   恐怖と欲望指数は27→29。

(2)ダウ輸送株指数は34ポイント(0.26%)安の13513ポイントと3日ぶりに反落。
   SOX指数は0.18%安の2713ポイントと反落。
   VIX指数は26.95と低下。
   3市場の売買高は109.1億株(前日は190億株、直近20日平均129.5億株)。
   225先物CME円建ては大証日中比65円安の26755円。
 
(3)プライム市場の売買代金は2兆6990億円(前日は2兆9585億円)。
   値上がり1297銘柄(前日1336銘柄)。
   値下がり462銘柄(前日446銘柄)。
   新高値53銘柄(前日31銘柄)。
   新安値3銘柄(前日26銘柄)。
   日経平均の騰落レシオは96.54(前日97.61)。
   NTレシオは14.24倍(前日14.19倍)。
   サイコロは6勝6敗で50.00%。

(4)下向きの25日線(26971円)からは▲0.37%(前日▲1.80%)
   11日連続で下回った。
   上向いた75日線は26852円。
   2日連続で上回った。
   下向きの200日線(27876円)からは▲3.61%(前日▲4.99%)。
   11日連続で下回った。
   上向いた5日線は26386円。
   3日連続で上回った。

(5)松井証券信用評価損益率速報で売り方▲12.236%(前日▲11.033%)
   買い方▲10.278%(前日▲11.589)。
   売り買い逆転した。
   マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲7.539%(前日▲7.111%)。
   買い方▲29.377% (前日▲39.947%)。

(6)空売り比率は42.3%(前日43.2%。3月24日から61日連続で40%超)。
   空売り規制なしの比率は6.9%(前日8.1%)。
   日経VIは22.73(前日23.08)。

(7)日経平均採用銘柄の予想PERは12.90倍(前日12.76倍)。
   EPSは2083円(前日2076円)。
   225のPBRは1.16倍。
   BPSは23164円(前日23026円)。
   10年国債利回りは0.230%。

(8)プライム市場の単純平均は24円高の2384円。
   プライム市場の時価総額は686兆円(前日679兆円)。
   ドル建て日経平均は199.22(前日196.60)と3日続伸。

(9)ボリンジャーのプラス1σが27686円。
   マイナス1σが26262円。
   マイナス2σが25568円。
   一目均衡の雲の上限が26501円。
   下限が26506円。
   10日ぶりに雲の上。
   アノマリー的には「大幅高の特異日」。
   月足陽線基準は27457円。(1日終値)。
   前月末比プラス基準は27279円(31日終値)。
   6月権利配当付き最終日。

今年の曜日別勝敗(6月27日まで)

月曜11勝12敗
火曜13勝11敗
水曜13勝10敗
木曜12勝12敗
金曜12勝11敗
(櫻井)。