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2022.04.28 中嶋 健吉

存在感増す個人投資家

年初から4月15日迄の15週間で、現物株を買い越した投資主体は個人+8826億円(現物+1509億円、信用+7317億円)と事業法人+8845億円2主体のみになります。 事業法人は自社株買いで説明が付きますが、個人の買い越しには何か期待を抱かせるものが有ります。 ちなみに個人の過去数年の数字は以下の通りです。

     2021年   2020年    2019年   2018年
現物 ▼3兆6038億 ▼3兆3088億 ▼5兆1160億 ▼1兆9428億
信用 ▽3兆8850億 ▽2兆4318億 ▽  8031憶 ▽1丁5733億
計  ▽  2812億 ▼  8769憶 ▼4兆3129億 ▼  3695億
▽買い越し  ▼売り越し

現物は一貫して売り越し、一方信用では買い越しを続けながら2020年までは全体では売り越しになっています。 しかし2021年では全体で買い越しに転じ2022年ではここまで現物、信用共に買い越しを記録しています。

個人投資家はアベノミクスを評価した株式の上昇局面では、一貫して売り越しを続けてきました。 2021年までの売りの総額はおよそ▼35兆円を大きく超えますが、その売りは日銀の累計で36兆円のETFか買いが吸収し、上昇相場を支えたと言えます。 個人は長らく下落時に買い、上昇局面で売る「逆張り」を得意として来ました。  しかし1995年以降生まれの所謂Z世代、2000年以降生まれのミレニアム世代にとって、物心つき始めたころから株式市場は一貫して上昇しており、特にアメリカ市場には先入観を持たず参入し、成功体験を積み上げてきました。 利息がほぼゼロの日本で彼らが財産形成を考える時、出遅れ感著しい日本株に長期投資で関心を向けるのは自然の流れでしょう。

個人の証券口座はネット証券中心に2021年9月で2876万口座と、2年前からおよそ430万口座の急増です。 更にNISA口座は1067万口座と、1年で16%以上の増加です。 特に20~30代の脇世代が280万口座と突出しています。成功体験を積んだ彼らが、これからの市場を牽引することを期待したいものです。 長く氷河期を過ごした個人投資家層に、今間違いなく変化の兆しが出始めています。