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2024.01.31 鈴木 一之

【放送後記:2024年1月31日(水)前場】

「日経平均は想定以上にマイナス、米AMDの決算後のアフター市場を嫌気」

◎日経平均(31日13:19):35,982.37(▲83.49、▲0.23%)
前場で一時▲300円以上の下げ

時価総額:896.7兆円(30日、以下同じ)
PBR:1.40倍
PER:15.87倍
利回り:1.82%

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【相場の概況】

・日経平均は大幅安、FOMC控えで動きとりにくいところに、米国のテクノロジー企業の決算発表が重なる

・NYダウ工業株は4日続伸、4日続けて最高値を更新

・マイクロソフト(10-12月の売上620億ドル+18%)、グーグル(同863億ドル+13%)の決算は予想以上の出来栄え、AMDも同様、しかし株価はアフター市場で軟調、寄り付きから半導体株が売られる

・アップルは5日続落、有力アナリスト(ミンチー・クオ氏)が「今年の「iPhone」の出荷は▲15%ダウンになりそう」との見通しを示した。買い替え需要そのものが鈍っている上、AI搭載機種の登場待ちで買い控え

・日本企業の決算発表も活発化、キヤノンは自社株買い1000億円の発表で急伸、コマツは業績好調

・米12月・雇用動態調査(JOLTS):902.6万件(前月は892.5万件)
・米1月・消費者信頼感指数:114.8(前月は108.0)、いずれも好調

・FOMCでのパウエル議長の会見内容、ハト派を継続か、タカ派に引き戻されるか

・日本では長期金利が上昇、10年国債金利は0.74%に
→銀行株が総じて高い(「金利のある世界」に突入)

・12月・鉱工業生産:生産指数は+1.8%(予想は+2.4%)

・中国・1月製造業PMI:49.2(前月は49.0)

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【市場の声】

・「アメリカ株の値動きは「金融環境指数」と連動します」

・「今回のFOMCのポイントは3月中に利下げがあるかどうか、です」

・「大統領選は大きなカギを握っていますが、政治ショーと相場動向は分けて考えるべきです」

・「決算発表でUPSの株価が▲8%下落した点は注意すべきです」

・「今年の春闘だけで実質賃金がプラスに浮上するのはかなりむずかしいでしょう」

・「となると、マイナス金利の解除も相当、遅れることになります」

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【今日のマル・バツ銘柄】

マル:キヤノン(7751)決算好調、半導体、デジカメ、監視カメラが牽引、自社株買い
バツ:アドバンテスト(6857)AMD決算後の株安に連動、高値圏での調整続く

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【主な新聞ニュースより】

▽世界経済「軟着陸に道筋」 IMF予測 今年3.1%成長に引き上げ
▽物価高上回る所得、年内に 首相施政方針演説
▽自社株買い最高9.6兆円 昨年、東証改革追い風

▽地方での資金需要、急拡大、第二地銀、預貸率22年半ぶり8割超
▽Jフロント社長に小野圭一氏 最年少48歳
▽消費景況感、1月も最高 日経DI 3調査連続、外食けん引

▽キヤノン、純利益15%増 今期3050億円、半導体装置が好調
▽OLC、5年ぶり最高益 4~12月最終、値上げでも客足好調
▽国産ナフサ14%高、10~12月2四半期ぶり上昇、樹脂値上げ再燃も

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IMF、世界経済見通しを引き上げ、今年は3.1%成長に(2.9→3.1%)
金融引き締めによる景気後退は薄まった

米国:1.5→2.1%
日本:1.0→0.9%
ユーロ:1.2→0.9%

先進国の2024年CPI、3.0→2.6%に下方修正

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自社株買い、2023年に過去最高の9.6兆円
増加は3年連続
取得枠を設定した企業数は延べ1033社(2年連続で1000社超え)

伊藤忠:1250億円
ホンダ:2700億円
KDDI:トヨタから2500億円で自社株を取得

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地方での資金需要、急拡大
第二地銀の預貸率が22年半ぶりに8割超
80%超えは2001年4月以来

第二地銀の貸出金は55兆4700億円+2.9%の増加
預金は69兆400億円、+1.5%にとどまる

地銀協加盟行、貸出金は+3.6%の253兆100億円
預金は+1.4%の325兆1000億円

日銀がマイナス金利の解除に動くとの観測が広がり、今後の金利上昇を想定する地銀は多い。金利上昇局面では銀行の利ざやは拡大し収益増につながる。預金を集めて貸出金にまわす銀行の伝統的なビジネスが注目されやすい。

設備投資による資金需要は拡大
日銀、2022年度の全産業の設備投資額、前年度比+9%、2023年度は+13%

コロナ禍で落ち込んだ需要がようやく回復
中小企業では人手不足を補うため、温暖化ガス削減のための設備投資が増える

経済がインフレに転換、金利感応度は高まり良い条件の金利を求める

マイナス金利下で預金はコストだったが、金利のある世界では預金は非常に重要

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J・フロントリテイリング
小野圭一執行役常務(48)が3月1日付で社長に。

2024年度から新たな中期経営計画が始まる

記者会見:リテールの力を短中期で高めていく
プラスアルファの武器や成長軸を身につけていきたい

小野圭一氏(おの・けいいち) 98年(平10年)関学大経卒、大丸(現大丸松坂屋百貨店)入社。18年J・フロントリテイリング執行役、22年から現職、兵庫県出身

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国産ナフサ、10-12月期、2四半期ぶりに上昇+14%
樹脂値上げ再燃も

原油の国際相場の上昇
アジアでナフサの需給が引き締まり
ロシアの製油所の定期修理やトラブル

中国は不動産市況の低迷で経済の伸びは鈍化しているが、石化製品の生産は続いている
焦点は、2024年1-3月期のナフサ相場の先高観と合成樹脂価格への影響

イエメンの親イラン武装組織フーシによる船舶攻撃が続く
アジア市場で消費されるナフサの到着が遅れ、アジア需給が締まる

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以上