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2024.01.10 鈴木 一之

【放送後記:2024年1月10日(水)】

【放送後記:2024年1月10日(水)】

鈴木一之です。本日も東京マーケットワイド」をご覧いただき、ありがとうございました。

今年は「放送後記」として、水曜日の前場を担当して気になった動きを書き残すようにしてみようと思います。(三日坊主にならないように気をつけます。)

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【株式市場の状況】

1月10日(水)、午前中に日経平均は3日続伸しました。すでに昨日の時点で日経平均は今年最初の「33年ぶり高値」に到達していましたが、そこからさらに続伸しています。

NY市場では、ゴールドマンサックスやボーイングが下げ、マイクロソフトやメルクが上昇したNYダウ工業株が反落したものの、NASDAQは3日続伸しています。

世界中が注目するエヌビディア(NVDA)が連日のように最高値を更新して、市場を牽引しました。そのほかの半導体関連株は高値圏で上げ一服でした。SOX指数もこの日は小さな値動きに終始しています。

東京市場でも、話題の中心は引き続き半導体関連株ですが、本日は個々の銘柄ごとに上昇と下落が入り組んでいます。

信越化学工業(4063)は目立った材料もないままに大きめの下げとなり、レーザーテック(6920)もこの銘柄にしては静かな値動きです。

代わってソシオネクスト(6526)、KOKUSAI(6525)に人気が集まっています。東京エレクトロンデバイス(2760)が大幅高で高値を更新し、マクニカ(3132)、丸文(7537)の半導体商社の中から本日は急騰する銘柄が現れています。

半導体関連株のすそ野はさらに広がっており、荏原(6361)、横河電機(6841)、堀場製作所(6856)、CKD(6407)の機械、電機セクターの一角に物色が及んでいます。

日経平均が年明け3日目に高値を更新してきたためか、出遅れ銘柄やセクターに対する投資意欲が強まっているように見えます。

任天堂(7974)が連日のように上場来高値を更新しています。

任天堂(7974)週足5年 (チャート提供:日本証券新聞)

テルモ(4543)、朝日インテック(7747)のカテーテル、ガイドワイヤー関連株が急伸し、オリンパス(7733)、HOYA(7741)もヘルスケア銘柄として買われています。

テルモ(4543)週足5年 (チャート提供:日本証券新聞)

オリエンタルランド(4661)が急伸して上場来高値に接近したことから、親会社の京成電鉄(9009)が再び人気を集めました。内需系では、大発会とその翌日に急伸した不動産株でも住友不動産(8830)、東京建物(8804)、三井不動産(8801)、野村不動産HD(3231)までがにぎわいを見せました。

あらゆるセクター、あらゆる物色テーマから評価され直す銘柄が出ています。NYダウ工業株が一服したため、朝方の時点では「さほど大きな動きのない前場なのかな」などと考えたのですが、とんでもない。日経平均は一気に34,000円の大台を突破しています。

しかも常連クラスの東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)にさほど頼らずに、株価が軽々と持ち上げられています。これまでになく株式市場のすそ野が広がっているように感じられます。

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【気になるニュース】

「人口8000万人でも成長力を維持、『人口戦略会議』が提言」

昨年7月に発足した「人口戦略会議」が民間からの提言を岸田首相に提出しました。

政府は2100年に、日本の人口が6300万人と現在よりも半減すると見込んでいます。それに対して、人口を8000万人台で安定させて成長力を維持するよう提言しています。

日本の出生率は、2015年に1.45に上昇した後、コロナ禍もあって2022年に1.26の過去最低を記録しました。これまでの少子化対策はほとんど効果を発揮していないことになります。

今回の提言では、シナリオを4つ示しています。中でも理想的なのは、2040年に出生率を1.60まで回復させて、2050年にはさらに1.80に引き上げることを目指しています。このシナリオであれば人口は8000万人、高齢化率30%を維持できます。

国立社会保障・人口問題研究所では、日本の総人口は2020年の1億2615万人から、2100年には半減し、高齢化率は40%に達すると見ています。こうなると社会保障は破綻し、地方インフラは維持することが難しくなります。

出生率を高める対策として、男女の結婚・出産の促進、若年層の所得向上、非正規雇用の正規化、という雇用改善が最重要事項となります。また専門性の高い外国人との共生も視野に入ってきます。

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「CES」開幕、生成AIが暮らしの進化を競う、ソニー・ホンダ、EVに搭載

ラスベガスで世界最大の技術見本市「CES」が開幕しました。ソニーグループとホンダのEV会社「ソニー・ホンダモビリティ」は、開発中のEV「AFEELA(アフィーラ)」にChatGPTを組み込みます。

フォルクスワーゲンも市販車にChatGPTを組み込んで、音声認識で車の操作や行き先の自動検索をできるようにします。

ドイツの調査会社「スタティスタ」は、2023年の生成AIの市場規模が448億ドル(6.4兆円)、これが2030年には2000億ドル(29兆円)に拡大すると見込んでいます。

スマホやパソコン、テレビでも生成AIを通じたサービスでユーザーの囲い込みが始まっています。レノボは「ウィンドウズ」に生成AIの「コパイロット」を搭載して「AIパソコン」として近々に発売する見通しです。

ホンダ(7267)週足5年(チャート提供:日本証券新聞)
ソニーグループ(6758)週足5年(チャート提供:日本証券新聞)

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スタンダード市場に上場するオカムラ食品工業(2938)と、Japan Eyewear Holdings(5889)がそろって上場来高値を更新しています。

オカムラ食品工業(2938)日足

Japan Eyewear Holdings(5889)日足

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以上