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2022.06.05 小川 真由美

実家の玄関先に大きな松がありました。

曾祖父が山から移植して大切に育てたといいますから、おそらく明治初期の時代から家を守ってくれた樹で、樹齢は100数十年ほど。

一本の真っ直ぐな幹から、高さは抑えて枝を左右に伸ばし、全長10数メートルほどの立派な松でした。

夜店で風船を買ってもらった幼き日、

両親に手を引かれて家に帰り、玄関をくぐる直前で松葉が刺さって風船が破裂して泣いた思い出。

隣のおじさんに頼んで家族の記念撮影をするのは必ずこの松の前。

台風や滅多に降らない雪の日は、父が枝を結わえて折れないような対策をしたり雪を払ったり、

家族でそれはそれは大切に守ってきた松でした。

コロナ禍で実家に帰れなかった日々、母から連絡を貰って松の木が枯れかけていることを知りました。

友人の伝手などで様々な樹木医にも見てもらったもののどんどん元気をなくし残念ながら枯れてしまいました。

枯れ行く様子を毎日実家で見ていた家族は、父以外もはや諦めが付いていた様子ですが、

久しぶりに実家に帰った私と弟は松の姿を見て呆然。

自然と流れてきた涙に、この一本の松が我が家族にとってどれだけ大事な存在だったのか改めて知りました。

父にとっても70年以上付き合ってきた松だけに思い入れはひとしおだった様子で、だんだんと葉が茶色になってポロポロ落ちるようになった姿を寂しそうに見ていた様子。

このまま朽ち落ちても危険なので植木職人を呼んでいよいよ伐採してもらいました。

家族の象徴だった一本の木がなくなってしまった玄関。なんだか余所の家みたいで不思議な光景です。

ただ1つだけ嬉しいのは、少し離れたところに、鳥でも運んできたのか小さな松の芽が出ていたこと。

この小さな芽がこれまで家族を支えてきてくれた松の大きさまで成長するのに100数十年、父や弟、さらには甥っ子たちが、器用だったという曾祖父や祖父のように松を形づけられるのか。また新しい形の松が誕生しそうな気もしますが、

次の世代へ。我が家を何世代も見守ってくれるといいなと思います。

どんなことがあっても毎週欠かさず書き続けてきたブログを、なんと2週連続でサボってしまいました。一部ご心配を掛け申し訳ありません。くだらない文章ではありますが、自分で決めたこと、ちゃんと続けようと思います。反省。引き続きお付き合いください。